自動車の主要部位を徹底解説!内装・外装パーツの名称・役割と使用クリップ
車には前方・側面・後部・足回り・室内などに様々な部位(パーツ)があり、それぞれ構造上・安全上・快適性において重要な役割を担っています。また、これらの部位の多くはクリップ(留め具)によって固定されており、特にタイヤハウス(フェンダーライナー)やバンパー、アンダーカバーといった経年劣化しやすい箇所ではプラスチック製クリップが多用されます。本記事では、一般ユーザーやDIY整備士の方にも分かりやすいように、自動車の主要な内装・外装部位ごとに名称(別称)、役割、そして使用されるクリップの種類を解説します。
前部(フロント)外装の主要パーツ
フロントバンパー(前部バンパー)
- 別称(呼び方): バンパー(前側)、フロントバンパー。
- 役割: 車体前方に取り付けられる緩衝装置で、低速衝突時の衝撃を吸収し、エンジンやフレームなど内部構造へのダメージを軽減します。また、歩行者への衝撃を和らげるとともに、内部の機械部品が露出しないよう覆う役目も担っています。デザイン上も車の「顔」を形作る重要パーツです。
- 主な使用クリップ: 樹脂製のプッシュリベット(樹脂ピン留め)やスクリュークリップ(樹脂製のネジ留め式クリップ)で固定されています。バンパー周辺のプラスチックカバー類を留めるための専用クリップ(いわゆる「バンパークリップ」)が各所に使われます。
エンジンアンダーカバー(エンジン下部カバー)
- 別称(呼び方): アンダーカバー、エンジンアンダーガード。
- 役割: エンジンルームの底面を覆う樹脂製パネルで、走行中に下から飛んでくる小石や泥、水などの異物からエンジンを保護する役割があります。また、空力的にも下回りの空気の流れを整え、燃費や走行安定性に貢献します。エンジンの汚れ防止や静音効果も担う重要部品です。
- 主な使用クリップ: アンダーカバーは車体フレームに対しプッシュリベット(ピン押し込み式クリップ)やプラスチック製ボルトクリップで留められています。劣化で紛失しやすい部位なので、汎用のクリップセットにはアンダーカバー用クリップが含まれることが多いです。
足回り・ホイールハウス部位
タイヤハウス(フェンダーライナー)
- 別称(呼び方): フェンダーライナー、インナーフェンダー。
- 役割: 車輪の内側を囲うように取り付けられた樹脂製の泥よけパネルです。走行中にタイヤが跳ね上げる小石・泥・水などから車体を保護し、ボディへのキズやサビを防ぐ役割があります。特にエンジンルーム前方のホイールハウスでは、エンジンや足回り部品への異物侵入防止や防音にも貢献します。
- 主な使用クリップ: タイヤハウスのライナーは複数のプッシュリベット(クリップピン)やネジでフェンダー部に固定されています。車種によっては半回転でロックするプッシュターンリベットが用いられることもあります。これらのクリップは劣化して割れやすいため、定期的な点検・交換が推奨されます。
側面(サイド)外装の主要パーツ
サイドシルガーニッシュ(ステップカバー)
- 別称(呼び方): サイドシルプロテクター、スカッフプレート、ドアステップカバー。
- 役割: 車体の側面下部、ドアを開けた足元の敷居部分(サイドシル)に装着されるカバーです。乗降時に靴などでボディが擦れてキズ付くのを防ぐ保護目的と、ドアを開けた際に見える足元の見栄えを良くするドレスアップ目的があります。車種によっては金属製プレートで高級感を演出するものもあります。
- 主な使用クリップ: サイドシルガーニッシュは車体の穴に差し込む内張りクリップ(樹脂製クリップ)や爪で固定されています。多くは樹脂ピンを押し込んで固定する押し込み式クリップを使用し、必要に応じて両面テープで補強される場合もあります。取り外しの際はクリップリムーバーで丁寧に外します。
ピラー(Aピラー/Bピラー/Cピラー)
- 別称(呼び方): フロントピラー(Aピラー)、センターピラー(Bピラー)、リアピラー(Cピラー)など。
- 役割: ボディとルーフ(屋根)をつなぐ柱状の構造体で、車体の骨格を形成します。最も前方のAピラーはフロントガラス両脇の柱で、前面衝突時に衝撃から乗員を守り、生存空間を確保する重要な役割があります。中央のBピラー(前席と後席の間の柱)は側面衝突の衝撃を受け止め、安全確保の要となる部分で、シートベルトの取り付け部でもあるため非常に高い強度が求められます。後部のCピラーは車体後方の屋根支柱で、ボディ剛性を保つ役割があり、高級セダンでは厚みを持たせ後部座席乗員のプライバシー確保にも寄与します。
- 主な使用クリップ: ピラー自体はボディ一体の金属部ですが、室内側にはピラーを覆う内装トリム(ピラーカバー)が装着されています。このピラーカバーは内装パネルクリップ(内張りクリップ)やプッシュターンリベットなどで固定されており、必要に応じてピラー下部でねじ留めされています。クリップで固定されたカバーは引き剥がすことで取り外しできます。
サイドモール(モールディング)
- 別称(呼び方): ボディサイドモール、ドアモール、フェンダーモール。
- 役割: 車体側面やドア外板、フェンダーの端部に取り付けられる帯状の飾りパーツです。樹脂またはゴム製で、車体と同色かメッキ調に仕上げられています。役目はボディのプロテクションで、ドア開閉時に壁や隣の車にぶつけてもボディ本体にキズがつかないようにするための当てゴムのような役割があります。かつては多くの車で標準装備されていましたが、デザイン上のトレンドにより近年は省略されることも増えています。
- 主な使用クリップ: サイドモールの取り付け方法は車種によって異なり、モールクリップと呼ばれる樹脂製クリップでボディの穴に固定するタイプと、強力な両面テープで貼り付けるタイプがあります。クリップ固定式の場合、白色や緑色の樹脂クリップをボディ側に取り付け、モール裏の爪を差し込んで固定します。テープ式の場合でも端部をプラスチックピンで留めていることがあります。
ドア・ウィンドウのウェザーストリップ(ゴムシール)
- 別称(呼び方): ドアシール、ドアゴム、窓枠ゴム、ウェザーモール。
- 役割: ドアや窓、トランクの開口部周囲に取り付けられている帯状のゴム製シール部品です。ドアを開けたとき車体側にぐるりと巡っている黒いパーツで、ドアとボディの隙間を埋めて風雨やホコリ、騒音、振動の侵入を防ぐ役割を持ちます。柔軟な中空構造のゴムで密閉性を高め、ドアの開閉ショックを和らげる働きもあります。経年劣化で硬化・ひび割れすると防水・防音性能が低下するため、定期的なチェックが大切です。
- 主な使用クリップ: ウェザーストリップ自体は弾性の金属芯が埋め込まれており、ボディのフランジ(縁)にはめ込むことで固定されています。追加のクリップは少ないですが、車種によってドア下部や曲げ部に樹脂製の留め具やプラスチックピンで補強固定している場合があります。交換の際は引っ張って外し、新品を押し込んで装着します。
後部(リア)外装およびラゲッジルーム
リアバンパー(後部バンパー)
- 別称(呼び方): バンパー(後側)、リアバンパー。
- 役割: 車体後方に取り付けられる緩衝装置で、軽い追突などの衝撃からボディ後部を守ります。フロントバンパー同様に衝撃吸収材が内蔵され、フレームやトランクへのダメージを和らげます。また、後部のデザインを形作り、後続車からの視認性向上(リフレクター反射板の装着など)にも寄与します。近年は駐車センサーやバックカメラが組み込まれることも多い部位です。
- 主な使用クリップ: リアバンパーもフロント同様にプッシュリベットやクリップボルトで固定されています。左右のフェンダーやインナーパネルとの接合部にプラスチッククリップが使われ、下部はネジ留めされます。特にタイヤハウス側面との留め具(クリップ/ビス)は走行中に緩みやすいので、整備時には締まりを確認します。
トランク・ラゲッジルーム内装
- 別称(呼び方): トランクトリム、ラゲッジトリム、トランク内張り。
- 役割: セダンのトランク内部やSUV/ワゴンのラゲッジスペースに施された内装パネル類です。荷室の側面や床面を覆う内張りで、荷物の出し入れをしやすくし、清掃性を高め、キズや汚れが目立ちにくい素材でできています。樹脂パネルやカーペット張りの板(デッキボード)で構成され、荷物搭載時の騒音軽減や室内との遮音効果も担っています。
- 主な使用クリップ: トランク内装パネル類は内張りクリップ(樹脂製のピン留めクリップ)やプラスチックリベットで固定されています。床面のボードは樹脂製ノブ付きのねじで留められる場合もあります。側面トリムはドア内張りと同様のクリップで留められ、クリップを外せば内装を取り外してスペアタイヤや工具類にアクセスできます。
室内(インテリア)主要部位
ドアトリム(ドア内張り)
- 別称(呼び方): ドア内張り、ドアパネル、インナードアトリム。
- 役割: 各ドアの内側に取り付けられた内装パネルで、自動車のインテリア空間を構成する重要部品です。見た目のデザイン性を高めるとともに、ドア内部への遮音・断熱クッションの役割もあります。また、ドアポケットやパワーウィンドウスイッチ、スピーカーなどの機能部品を一体化して乗員の使い勝手を向上させています。衝突時にはある程度衝撃を緩和し乗員を保護する役目も期待される部位です。
- 主な使用クリップ: ドアトリムは主に内張りクリップ(樹脂製の押し込み式クリップ)でドア本体に勘合固定されています。さらにアームレスト付近など力のかかる箇所はビスやボルトで締結されています。クリップは外装に比べ小型ですが、経年で外れやすくなることもあるため異音防止のために確実に固定します。
ルーフトリム(天井内装)
- 別称(呼び方): ルーフヘッドライナー、天井内張り、天井ボード。
- 役割: 車内天井部分の内張りで、乗員の頭上を覆うインテリアパネルです。軽量で遮熱性・吸音性に優れた素材が求められます。厚手の繊維板や発泡素材に布地を貼り合わせており、室内の快適性(断熱・防音)を高めています。目に付きやすい部分のためインテリアデザイン上も重要で、ドアトリムなど他の内装と調和するよう統一感が図られています。
- 主な使用クリップ: ルーフトリムは車体ルーフに直接接着剤やベルクロで固定される場合と、周囲を囲むピラーやモール類で押さえ込んで固定する場合があります。加えて、室内灯(ルームランプ)やアシストグリップ取り付け部でクリップやビス留めされていることもあります。取り外しには多くのクリップを外す必要があり、慎重な作業が求められます。
以上、自動車の主要な内装・外装部位について、その名称(通称)や役割、固定に使われるクリップの種類を説明しました。車のパーツ名称を正しく知っておくことで、DIYでの内装外しやパーツ交換の際に必要なクリップの種類を把握でき、作業をスムーズに行えます。各部位のクリップは消耗品でもあるため、あらかじめ予備を用意しておくと安心です。ぜひ本記事を参考に、ご自身の愛車の構造理解やメンテナンスに役立ててください。